【聖典】心の訓練に関する七つの要点

聖典・経典
引用:Amrita Channel

大悲に敬礼いたします。
甘露であるこの秘訣の真髄は、セルリンパから流れ出たものです。
ヴァジュラ、太陽の光、そして薬樹のようなこの教えの意義を理解すべきである。
五つの堕落があふれるこの時代、この時にこそ、逆境を悟りへの道に変容させよ。

1 前行


初めは以下の前行をせよ。

(1)自由で幸福な人間としての生涯の稀有さ・得難さ、および人間のもつ可能性について考える。
(2)死と無常について考える。
(3)カルマとその果報について考える。
(4)輪廻がもたらす不利益について考える。

2-A 基礎的菩提心


あらゆる問題はただ一つ、エゴのせいである
それを払いのけなさい。
すべての衆生の大きな恩を思え。

トンレン(他者に幸福を与えることと、他社の苦しみを受け取ること)を交互に繰り返して修習せよ。
それはまず、自分の苦しみを受け取ることから始めるべきです。
この二つは、呼吸に乗せて行なわれるべきである。

楽・苦しみ・どちらでもないという三つの経験から生じる
三毒(愛著・嫌悪・迷妄)を、空・悟り・解脱に変容させる秘訣は、
これらの教えを心に銘記して、あらゆる活動に従事することです。

2-B 至高の菩提心

  • 堅固さを得ることで、秘密が示される。
  • すべての存在は、夢のごとくであるととらえよ。
  • 不生なる明智の有様を分析せよ。
  • 対抗手段である「空の智慧」自体も、あるがままに解き放て。
  • 道そのものも空性のままに置け。
  • 瞑想と瞑想の合間にあるときには、幻術師のようであれ。

3 逆境を悟りへの道に転化する

  • 衆生と環境からなる世界が悪で満ち溢れるとき、逆境を悟りへの道に変えよ。
  • どんな状況にあろうとも、すぐに菩提心をよりどころとして、他の衆生の幸福について熟考してください。
  • 四つの加行というすぐれた手法をとれ。

4 五つの力

  • 決意・功徳・習熟・対治・祈りと回向という、五つの力において訓練してください。
  • 五つの力は、意識の昇華に関する大乗の教誨です。これらの実践の道を育んでください。

5 五つの基準


すべての教えを、「自我の放棄」と「菩提心」という一つの意図に統合し実践してください。
慙愧の念に従ってください。
常に心に喜びだけを育んでください。
学びの基準は、実際に心が転向することです。

偉大なる五つのしるしを持ってください。

(1)偉大なる菩薩のしるし
あらゆる実践の本質は菩提心であるとみなすこと。
(2)偉大なる戒律の遵守者のしるし
カルマの法則を信じ、ほんのわずかな悪もおかさないようにすること。
(3)偉大なる苦行者のしるし
心を修練し、煩悩を除去するために、いかなる苦難にも耐えることができること。
(4)偉大なる善行者のしるし
言葉と行為を一貫して、大乗の教えに従うこと。
(5)偉大なるヨーギーのしるし
菩提心を起こすためのヨーガに取り組むこと。

心が散乱したときも、訓練された心によって、おのずから制御できるようにせよ。

6 心の訓練に関する18の誓約


1.誓いと行ないを矛盾させない・間違った極端に走らない・平等心を持つという三つの原則に常に照らして実践します。
2.種々の徳性を育むために、そして煩悩を捨て去るために、精力的に強制的な手段を用います。
3.エゴの根拠をすべて克服します。
4.困難な状況に対応するために、絶えず訓練します。
5.外的条件をあてにしません。
6.自らの心の変革に成功しても、それを他者に知らせるために不自然なふるまいはしません。
7.他者の非難をしません。
8.自他の比較をしません。
9.結果に対する期待をすべて葬り去ります。
10.エゴや、八つの世俗的思いといった毒を、教えに混入させません。
11.悪しき習性に従いません。
12.悪意のある言葉使いはしません。
13.恨みを晴らすために待ち伏せをしません。
14.他者の過ちを暴きません。
15.自分の責任を他者に押しつけません。
16.協力して成し遂げた成果を、自分の手柄としません。
17.神を悪魔に変えません(教えの実践が、いつのまにかエゴの増大などにつながらないように注意する)
18.自分が幸福になるための手段として、他者の不幸を探しません。

7 心の訓練に関する24の教誨


1.すべての行動は、菩提心という一つの意思のもとに行われなければなりません。
2.始まりには善き心構えを持ち、終わりには回向の心を持つべきです。
3.まずは容易なことから実践を始めてください。
4.心と身体がいかなる状況に置かれても、忍耐してください。
5.自らの命をかけて、誓約と教誨を守ってください。
6.自己の煩悩の認識・煩悩の遮断・煩悩を持続させないことという、三つの困難なる行を実践してください。
7.すべてを大乗の道に転化してください。
8.すべての衆生を包み込み、しかも広く行き渡った慈悲の実践を重んじてください。
9.内的・外的・環境的な、実践のための三つの条件を手に入れてください。
10.最初は、粗雑な煩悩から浄化していってください。
11.有意義なものはすぐに実践してください。
12.師への尊敬・念正智・心を訓練する喜びという三つを、衰退させないでください。
13.身体において師や三宝を供養することから離れず、言葉において教えから離れず、
心において慈悲や菩提心から離れないでください。
14.もし悪習に逆戻りするならば、自分の陥った事態について瞑想してください。
15.人間として生きる今こそ実践をしてください。
16.将来も常に菩提心という鎧をまとってください。
17.忍辱・関心・味わい・哀れみ・親愛・随喜などに関する誤った理解をしないでください。
18.心の訓練は、時々ではなく常に真剣に実践してください。
19.ひるまずに集中して実践してください。
20.分析と吟味によって、煩悩から解き放たれるようにしてください。
21.他者のために善いことをしても、自慢しないでください。
22.短気や狭い了見を捨ててください。
23.一時的に盛んに行なうのではなく、継続して実践してください。
24.見返りを期待しないでください。

深い信によって苦悩と罵倒を超えるべし。
これらの「エゴを克服する教え」を授かり、実践し続けているならば、今死んでも後悔することはない。

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